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外貨MMF投資とFX投資を「使い分け」することは可能か?
近年、外貨投資というと「FX(外国為替証拠金取引)」がどうしてもフィーチャーされているような気がします。数年前は多くの方が存在すら知らなかった投資が外貨投資におけるメインストリームになりつつあるわけです。外貨MMFや外貨預金といった外貨投資は多くのサイトで、FXと比較すると手数料が高いなどとこき下ろされていることも多いです。ただ、私は外貨MMF投資とFXは使い分けが可能な投資手段だと思っています。
単純な為替売買ならFXが圧倒的に強い
単純に為替レートの変動による為替差益を得るための投資ということであればFX投資が圧倒的に有利です。何せ取引コストが違います。
外貨預金:20銭~100銭(1円)
外貨MMF:20銭~50銭
FX:0.4銭~5銭
たとえば、FXでも低手数料で知られている「DMM.com証券 FX」の場合、米ドルの取引コスト(スプレッド)はわずか0.4銭。一方外貨MMFで一番安い「カブドットコム証券」の為替手数料は同じ米ドルで片道20銭。
手数料の差はなんと「50倍」です。
この差はいかんともしがたいものがあります。FXならわずか1銭の値動きでも利益を出すことができます。これは短期投資家には大変魅力的なポイントだと思います。
小さな値幅での為替差益を狙うのであればFXが一番適しています。
(参考:FX取引業者の選び方)
為替差益に対する課税まで含めるとトータルでは外貨MMFがお得な場合も
ただ、先ほどの例はこれはごく狭い為替レートの値動きでの売買に限ったケースとなります。長期的な投資や大きな値動きを狙う投資の場合は外貨MMFがお得なることもあります。
なぜなら、外貨MMFには大きなメリットである「為替差益が非課税」という特徴があるためです。
FXの税制改正によりFXによる為替差益は20%の申告分離課税と改善はされましたが、それでも外貨MMFの非課税と比べると劣ります。
仮に、1ドル80円で1万ドル購入し、85円で売却した場合を考えていきましょう。
外貨MMFの場合(片道20銭)
為替差益:1万ドル×(84.8円-80.2円)=46000円の利益 税引き後(非課税):4万6千円
FXの場合(片道0.4銭)
為替差益:1万ドル×(84.96円-80.04円)=49200円の利益 税引き後:3万9360円
上記のように、手数料が多少割高なことを考慮したとしても外貨MMFの方が有利になります。1日、数日、数週間単位ではなく、もっと長期間で投資をするようなケースでは外貨MMFでも十分に戦えます。
外貨MMFは単純な為替投資以上の投資も可能。
また、外貨MMFは単純な為替投資以上の運用も可能という点を忘れてはいけません。外貨MMFは証券会社における外貨そのものと同じように扱うことができます。
どういうことかというと、外貨MMFの残高を通じて「外国債券」へ投資をしたり「外国株」に投資をしたりもできるわけです。また、こうした債券の利息を外貨MMFとしてためておくことも可能なのです。
たとえば米国株に投資をしたいと考えているとき、毎回円を米ドルに替えて、それで米国株に投資、そして売却した時は米ドルをまた円にする。という流れをとると、大変非効率ですし、毎回発生する為替手数料が高くつきます。
しかしながら、外貨MMFを使って運用できれば、一度の為替手数料で外貨運用をずっと続けることができます。また、受け取った米ドル建ての利息を外貨MMFとうして再運用することも可能なのです。
ちなみに、こうしたサービスを「外貨決済サービス」と言います。日本のネット証券では「楽天証券」や「マネックス証券」などが積極的に展開しています。
こちらも中長期での外貨資産を増やしていきたい(外貨ベースでの資産形成を積極的にしていきたい)というニーズにとってはかなりベストマッチな特徴だと思います。
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